マイペースで勉強したいとき

 

Ⅰ 「承認研修」の権利を使う

 

1 承認研修とは?

 教員は、授業に支障のない限り、本属長(校長)の承認を受けて、勤務場所を離れて研修をすることができます。これを「承認研修」と呼びます。

 「授業に支障がない限り」という条件があるため、長期休業中に取得する場合が多いようですが、長期休業中に限定されているわけではありません。かつては「自宅研修(宅修)」と呼ばれ、定期考査期間中の放課後などは自宅で教材研究することができました。2002年に、法制度は変更がないのにもかかわらず、「承認研修」と名称が変更されたことに伴い、取得に規制をかけようとする動きがあります。教員にとって自発的な日常不断の研修活動(教材研究等)は必要不可欠のものです。生徒の学習権保障の裏付けともなりますkら、大いに行使し、指導力向上に役立てましょう!

  (法的根拠)

  ①「教育公務員特例法」(昭和24年1月12日法律第1号)第21条第1項:

    「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」。

  ②同法第22条1項・2項:

    「教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。

     教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる」。

 

2 県教委は、勤務場所を離れて研修が行われるよう、特に配慮するものとされています。

  自分のペースで勉強したいとき、興味のある学習会に参加するときなど、幅広く活用することができます。

  ※県教委は、「民間教育研究団体の研究会参加は承認研修による職専免とする」と回答しています。

  ※高教組が開催する「教研(教育研究集会)」にも参加できます。詳しくはこちらをご覧ください。

 (法的根拠)

  ③「給特条例の施行に関する合意書二の3」(1972年3月31日)

 

 

Ⅱ 研修に関連する特別休暇・休業制度

 

1 通信教育のための特別休暇

  ・職員が高校または大学の通信制課程で勉学する際、定められた面接授業に出席する場合

  ・必要と認められる期間

 (法的根拠)学校職員の勤務時間、休暇等に関する規則第20条28項

 

2 資格試験の受験のための特別休暇

  ・職員が国又は県が行う職務の遂行に必要な資格試験又は昇任試験を受ける場合

  ・必要と認められる期間

  (法的根拠)学校職員の勤務時間、休暇等に関する規則第20条29項

 

3 修学部分休業

  ・公務の運営に支障がなく、かつ当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるとき

  ・大学などでの修学のため、申請に基づいて、1週間の勤務時間の半分までを上限に、2年間、5分単位で。

  ・休業分は減給となります。期末手当・勤勉手当も減額されます。退職手当は減額されません。

  (法的根拠)

  ①地方公務員法第26条の2

  ②宮城県教育委員会に属する職員の修学部分休業に関する規程

 

4 自己啓発等休業

  ・在職期間が3年以上で、かつ勤務成績が良好な職員が申請した場合

  ・公務の運営に支障がなく、かつ当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるとき、

 、・大学(国外の大学も可)などでの修学(原則2年以内)か、国際貢献活動に参加するため(原則3年以内)。

  ・期間の延長は1回に限り可能。

  ・休業中は無給。退職金が減額されます(修学または国際貢献活動が公務に資する場合は期間の半分を除算)。

 (法的根拠)

  ①地方公務員法第26条の5

  ②宮城県教育委員会に属する職員の自己啓発等休業に関する規程

 

5 大学院修学休業 新設!

  教員が国内外の大学院に在学し、専修免許状を取得する機会を拡充するため、教育公務員特例法等の一部を改正する法律(平成12年4月28日法律第52号)により大学院修学休業制度が創設されました。同制度は平成13年度より開始されています。制度の概要は、以下の通りです。

(1) 公立学校の教員(教諭、養護教諭、栄養教諭及び講師)で、一種免許状又は特別免許状を有する者は、任命権者の許可を受けて、専修免許状を取得するため1年を単位とする3年を超えない期間、国内外の大学院へ在学し、その課程を履修するための休業をすることができます。

(2) 休業中の教員は、その身分を保有しますが、職務に従事しません。

(3) 休業中は給与は支給されません。退職金は休業期間の半分が除算されます。

 この制度によって、何が変わるか?

★この制度により、教員の身分を保有したまま、大学院にフルタイムで在学することができるようになります。また、在学する大学院を選ぶことができます。

★日々の教育活動を通じて培われた問題意識について、大学院での専門的な研究や分析に基づいて理論的・体系的に整理することにより、より高度な実践力を身につけることが期待されます。